1 普通建物賃貸借契約の内容と存続期間

①期間の定めがある場合は、最短期間は1年。最長は20年を超えることもできる。(借地借家法29条)

②期間の定めがない場合は、賃借人は3か月の期間をおいて、いつでも解約の申し入れができるが、賃貸人の解約申し入れは6か月前にされる必要がある(同法27条1項)。

2 定期建物賃貸借の内容と存続期間

 期間の定めのある建物賃貸借+契約の更新がなく+公正証書等で契約することを要する契約

 ※1年未満とする定めも許される。

 ※期間満了後に、当事者が新たな賃貸借契約を結ぶことも許される。

 ※契約締結時に、あらかじめ借家人に対して、当該建物賃貸借は契約の更新がな

く期間満了により終了する旨を記載した書面を交付して説明する必要>

                                  

Q 普通建物賃貸借契約の更新の際に、定期建物賃貸借契約に契約を更改できるか。 

 A 契約種類と契約時期による。

     【居住用借家の場合】

     ・平成12年3月1日より前の契約。定期借家に切り替え不可。

                 後の契約。定期借家に切り替え可。

     【事業用借家の場合】

     ・平成12年3月1日前後関係なく、更新の際に定期借家に切り替え可

 

(3)取り壊し予定の建物賃貸借

法令または契約により一定の期間を経過した後に建物を取り壊すことが明らかな場合において、建物を取り壊すこととなる時に契約が終了する旨の特約をした建物の賃貸借契約。

 

 

3 借家における更新拒絶・解約申し入れ

①期間の定めがある普通建物賃貸借契約の終了と更新

 期間満了前1年前~6か月前までの間に相手方に対して更新しない旨の通知(契約

更新拒絶)または、契約条件を変更しなければ更新しない旨の通知をしなかったとき

は、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされる(「法定更新」借地

借家法26条1項)。

 また、当該通知後も異議を述べないと、契約を更新したものとみなされる(同3項)。

②期間の定めのない普通建物賃貸借契約の終了と更新

 家主が解約申し入れの日から6か月を経過することにより、契約は終了します(借

地借家法27条1項)が、この契約終了後に、借家人が建物使用を継続し、これに家

主が遅滞なく異議を述べないときには、同様に契約は更新されたものとみなされる(同

2項)。

 

4 家主の解約申し入れ・更新拒絶と正当事由

  更新拒絶・解約申入れ・建物使用継続に異議を述べるには、正当事由が必要

  「正当事由」は・・・

  ①当事者双方の建物使用の必要性

  ②借家に関する従前の経過

  ③建物の利用状況

  ④建物の現況(建物老朽化の程度・残耐用年数・修繕の必要性・費用)

  ⑤財産上の給付をする旨の申出