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刑事訴訟費用を負担させられる場合と免除

1 刑事訴訟費用とは

  刑事裁判の判決の際、裁判官から「訴訟費用は被告人の負担とする」あるいは「訴訟費用は被告人に負担させない」旨の言い渡しがあります。ではここでいう、訴訟費用とは何でしょうか。

  「刑事訴訟費用などに関する法律」第2条によれば、訴訟費用とは

「公判期日若しくは公判準備につき出頭させ、又は公判期日若しくは公判準備において取り調べた証人等に支給すべき旅費、日当及び宿泊料

「公判期日又は公判準備において鑑定、通訳又は翻訳をさせた鑑定人、通訳人又は翻訳人に支給すべき鑑定料、通訳料又は翻訳料及び支払い、又は償還すべき費用」

国選弁護人の日当・旅費・報酬

と定められています。

これらは、一時的に国が立て替えておりますので、「訴訟費用は被告人の負担とする」という判決がでた場合には、国から有罪となった被告人に立替えた費用を請求するという意味になります。

訴訟費用を負担する旨の判決が出たからといって、裁判官や裁判所職員の人件費等を負担する必要はありません。したがって、遠方からの証人の出廷がなく、鑑定も行われず、通訳も必要がない裁判の場合には、訴訟費用とは、国選弁護人の報酬くらいになります。

2 国選弁護人の報酬

 国選弁護人の報酬については、被疑者段階から国選弁護人がついていた場合と被告人段階になって初めてついたのか、さらに、起訴前勾留の期間及び接見の回数、裁判所への出頭回数、追起訴の有無、示談や保釈の有無によってかわってきますが、被告人段階のみであれば、8~10万円程度、被疑者段階から国選弁護人がついている場合には、15万~20万程度となる場合が多いですが、裁判員裁判の場合は、もっと高額になり100万円を超える場合も多いです。

私選弁護人をつけている場合には、検察側の証人の出頭、鑑定・通訳がない場合には、訴訟費用が生じない場合がほとんどです。被告人側の情状証人は、旅費・日当を放棄する場合が多いと思います。

 

3 負担させられる場合

 被告人に有罪判決が言い渡された場合には、原則として、被告人が訴訟費用を負担することになっております(刑事訴訟法181条本文)。そして、訴訟費用を負担させる場合には、その旨、判決で言い渡されることになっています(刑訴法185条本文)。

 しかし、「被告人が貧困のため訴訟費用を納付することのできないことが明らかである場合には、この限りでない」とされています。

 したがって、支払能力が乏しい場合は、下記のように負担を免除してもらえる事もあります。

ここで、重要なのは、被告人本人の収入が少なかったとしても、同居家族にある程度の収入や資産がある場合には、「納付することができないことが明らか」ではないと判断され、訴訟費用を負担させる旨の判決がでることがあります。たとえば、まとまった額の保釈保証金を借り入れをせずに支払ったような場合、あるいは、同居家族が定職に就いてある程度の収入が見込まれる場合などです。

 訴訟費用の負担させられるのは、資力がある被告人が執行猶予判決をうけた場合に多いです。実際には、交通法違反の場合に、執行猶予判決を言い渡された場合に、罰金を支払わなくて済むのは不合理であると考えられるような場合に負担を命じられるようです。ただ、実刑判決の場合でも負担させられることがあります。

 

4 免除申請

訴訟費用を負担させる判決が言い渡された場合でも、判決が確定した後20日以内訴訟費用免除申請をすることによって、支払い免除となる場合があります(刑事訴訟法第500条)。申請は書面で、訴訟費用を負担できない理由を記載し、それを証明する書類を添付します。添付書類としては、給与明細書や源泉徴収票、預金通帳の写しなど、被告人の収入や財産についてわかるものとなります。

しかし、免除申請が通るとは限りませんし、免除申請には手間もかかります。筆者が資力の乏しい被告人の国選弁護人になった場合には、訴訟費用を負担させる判決がでないよう、被告人質問や情状証人への証人尋問において、被告人本人及び同居家族の資力の乏しい事情を聞き出すようにしています。たとえば、被告人及び同居家族の収入、預金額、借金の額などです。

 

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